
平成に始まった新生仮面ライダーシリーズの第6弾である「仮面ライダー響鬼」。始まりから終わりまで、画面からは今までにない映像、音響が流れる。これは面白い試みであり、主人公が「細川茂樹」になった事も影響してか、物語全体が締まって見える。「激走戦隊カーレンジャー」「星獣戦隊ギンガマン」「仮面ライダークウガ」「仮面ライダーアギト」「ウルトラマンパワード」「ウルトラマンガイア」など特撮三冠王の佐橋氏を起用した音楽は、奥行きが深く物語の音に対する音響効果と深い味わいを感じられた。

今までのイケメンブームで若手新人起用が多かった特撮ドラマに、敢えて中堅の細川を起用した東映には大いに感服した。ただでさえ嘘くさい特撮ドラマの設定に、主人公の稚拙な演技を見せられたんでは堪らない。細川の安定した演技のお陰で、仮面ライダー響鬼の第一話は成功したと言える。やはり主人公は明るく健康的であって欲しいし、主人公が少々間抜けであっても変身後の活躍がカッコ良ければ許せるのである。

仮面ライダーの設定も風貌も異質でありながら、正統ヒーローものとしての王道を踏んでいる。敢えて仮面ライダーの昆虫形態から離れ、伝説の鬼をフィーチャリングするところが斬新である。昭和のライダーで言えば、「仮面ライダーアマゾン」の斑大トカゲの時と同じ匂いがしたのは言うまでもない。「仮面ライダーブレイド」で少しズッコケた東映も、ここに来て一皮剥けた感じがする。今後、期待して見守って行きたい作品の一つである。
脚本:きだつよし 大石真司 監督:石田秀範
アクション監督:宮崎 剛 特撮監督佛田 洋−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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